「VPNの説明でよく見る “AES-256” って何?」「暗号化方式の違いで何が変わるの?」
そんな疑問を初心者にもわかりやすく解説します。
この記事では、VPNで使われる代表的な暗号化方式(AES・ChaCha20・RSAなど)を、できるだけシンプルにまとめました。
◆VPNの暗号化方式とは?
VPNは、あなたのインターネット通信を「暗号化」することで、第三者に内容を盗み見られないようにしています。
暗号化方式とは、その“暗号の作り方”の種類のこと。
- 暗号化が強い → 解読されにくい、より安全
- 暗号化が弱い → 攻撃者に破られやすい
そのため、どの暗号化方式が使われているかはVPNの安全性を判断するうえで非常に重要です。
◆最も一般的な暗号化方式「AES-256」とは?
●AESの基本
AES は「Advanced Encryption Standard」の略で、世界中で使われる標準的な暗号方式です。
●AES-256 の数字「256」とは?
鍵の長さ(ビット数)を表します。
- AES-128:鍵長 128ビット
- AES-192:鍵長 192ビット
- AES-256:鍵長 256ビット(最強クラス)
鍵長が長いほど、総当たり攻撃(ブルートフォース)で解読されにくくなります。
●AES-256はどれくらい強い?
現実的には現在のコンピュータで解読するのは不可能と言われています。
アメリカ政府・軍・大企業もAES-256を利用しており、信頼性は極めて高いです。
◆VPNで使われる主な暗号化技術一覧
VPNに使われる暗号技術は、大きく3種類に分かれます。
① 共通鍵暗号(AES / ChaCha20)
通信の暗号化そのものに使う方式です。
●AES-256(最も一般的)
- 高速
- 非常に安全
- VPNの業界標準
●ChaCha20(高速で省電力)
- 軽量で高速
- モバイル環境に強い
- WireGuard系VPNでよく使われる
ポイント
→ PCではAES、スマホではChaCha20が使われることが多い
② 公開鍵暗号(RSA / ECC)
デバイス同士が「安全に暗号鍵を交換する」ための仕組み。
●RSA(現在も広く使用)
- RSA-2048、RSA-4096 など
- 鍵長が長いほど安全
●ECC(次世代暗号)
- RSAより短い鍵で同等の安全性
- 高速かつ軽量
- 近年採用が増えている
③ ハッシュ関数(SHA-256 / SHA-384)
データ改ざんを防ぐために使われる技術。
●SHA-256(一般的)
- 改ざん検知に使われる
- Bitcoinなどでも採用
●SHA-384(さらに強力)
- 高い安全性
- ハイレベルVPNが使用
◆VPNプロトコルごとの暗号化方式の違い
VPNはプロトコル(通信ルール)ごとに使用できる暗号方式が異なります。
| VPNプロトコル | 主な暗号方式 | 特徴 |
|---|---|---|
| OpenVPN | AES-256 / AES-128 | 世界で最も使われる。高い安全性 |
| WireGuard | ChaCha20 | 超高速。スマホに強い |
| IKEv2/IPsec | AES-256 | モバイルで安定性が高い |
| Lightway(ExpressVPN独自) | ChaCha20 / AES | 高速・軽量 |
◆「AES-256」以外の暗号は安全じゃない?
結論:
**AES-256 以外でも安全なものは多いが、AES-256 が“最も信頼されている”**というだけです。
- ChaCha20 → 高速&強力
- RSA(2048以上) → 現実的に安全
- ECC → 次世代暗号で信頼性が高い
ただし
▼注意
古い暗号(DES / PPTP など)は危険で非推奨。
◆暗号化方式の違いで「VPNの速度」は変わる?
はい、多少変わります。
一般的な傾向は以下の通り:
- AES-256 → 高速で安定、PCに最適
- ChaCha20 → さらに高速、スマホに最適
- OpenVPN(AES)より WireGuard(ChaCha20)の方が速いことが多い
速度重視 → WireGuard
安定重視 → OpenVPN
という選び方ができます。
◆VPNを選ぶときにチェックすべき“暗号化”ポイント
最低限、以下の条件を満たしていれば十分安全です。
✔ AES-256 もしくは ChaCha20 を採用している
一般ユーザーならこれだけで OK。
✔ RSA-2048 以上 or ECC を採用
鍵交換が安全。
✔ OpenVPN / IKEv2 / WireGuard に対応している
信頼性の高いプロトコルを選ぶ。
◆初心者向け:安全なVPNを簡単に選ぶ方法(3つだけ)
① 「AES-256」または「ChaCha20」と書いてあるVPNを選ぶ
→ 安全性の最低ラインクリア。
② プロトコルは OpenVPN or WireGuard を選ぶ
→ 全世界で使用される鉄板。
③ 無料VPNは避ける
→ 暗号化が弱い・広告目的でデータ収集の危険あり。
◆まとめ:AES-256は現時点で最強クラスの暗号方式
- AES-256 は軍・政府レベル
- ChaCha20 も非常に強力でスマホ向き
- RSA・ECC で鍵交換も安全
- SHA-256 で改ざん防止
VPNを選ぶときは
「AES-256 / ChaCha20 + OpenVPN/WireGuard」
と覚えておけばOKです。
安全性を求めるなら、以下の大手が安心です:
- NordVPN(AES-256 / ChaCha20 / WireGuard対応)
- Surfshark(ChaCha20 / AES / WireGuard対応)
- ExpressVPN(Lightway / AES / ChaCha20)

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