VPNを使っていて
「なんか遅い…」「動画が止まる」「ページが重い」
と感じるとき、原因は回線やVPNサーバーだけとは限りません。
実は“セキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)”もVPN速度に大きく影響します。
この記事では、
- セキュリティソフトがVPNを遅くする理由
- 速度を改善する設定
- VPNとセキュリティソフトの最適な組み合わせ
をわかりやすく解説します。
1. セキュリティソフトがVPN速度に影響する理由
セキュリティソフトは
常に通信を監視し、危険がないかチェックしています。
VPNも同じタイミングで
暗号化や経路処理を行うため、
両者が重なるとPCに負荷がかかり、速度低下が起こります。
主な原因は次の4つです。
✔ ① HTTPS/VPN通信の“二重スキャン”が発生する
VPN通信は暗号化されていますが、
セキュリティソフトがこれを検査しようとして負荷が倍増します。
例:
- ウイルスバスター
- ノートン
- カスペルスキー
- ESET
など、全ての製品に該当するケースがあります。
✔ ② セキュリティソフトがパケットを逐次検査する
リアルタイム保護機能により、
VPNで流れる全データをチェックするため、
通信が遅くなる場合があります。
✔ ③ ファイアウォールがVPNを制限する
セキュリティソフトのファイアウォール設定によっては
VPN通信(特にOpenVPNやWireGuard)が
制限される → 速度低下または切断が起きます。
✔ ④ セキュリティソフトとVPNソフトの相性問題
- ノートン + 特定VPN
- McAfee + OpenVPN
のように、
相性が悪くて速度が出ないケースは実際に多いです。
2. セキュリティソフトが原因で速度が遅い時の症状
- VPNを切ると速度が戻る
- ページが固まる
- 動画がカクつく
- VPN接続が安定しない
- 特定のプロトコルだけ遅い
こうした現象がある場合、
セキュリティソフトが原因である可能性は高いです。
3. VPN速度を改善するためにやるべき設定
速度を改善するために、
次の5つの設定を試すだけで大幅に改善できます。
✔ ① セキュリティソフトにVPNアプリを「例外登録」する
最も効果のある設定です。
登録する対象:
- VPNアプリ本体
- サーバー接続用のプロセス
- OpenVPN / WireGuard のポート
例外登録すると
二重スキャンがなくなり、速度が改善します。
✔ ② HTTPS監視をオフにする(※必要な場合のみ)
HTTPSスキャンを行うセキュリティソフトでは、
暗号化通信を解析しようとして負荷が増します。
VPN使用中だけ
HTTPSスキャンをOFFにするのも有効です。
✔ ③ ファイアウォールの“VPN制限”を解除する
「不明なネットワーク」扱いで制限されていると
VPN通信が遅くなります。
対応:
- 信頼ネットワークとして登録
- VPNプロトコル(UDP/TCP)の許可
- OpenVPNやWireGuardのポート開放
✔ ④ セキュリティソフトの“リアルタイム保護”を一時停止して検証
一時的にOFFにして速度が改善するなら、
VPNとの競合が原因です。
その場合は
例外設定 + HTTPSの監視調整で解決できます。
✔ ⑤ そもそも軽いセキュリティソフトに変える
CPU負荷の高いソフトはVPN速度にも悪影響です。
軽量でVPNと相性が良いソフト:
- ESET
- Bitdefender
- Windows Defender(標準)
重くなりがちなソフト(VPNと競合しやすい):
- ウイルスバスター
- ノートン
- McAfee
※絶対ではありませんが、相性問題はよく報告されています。
4. VPN × セキュリティソフトの最適な組み合わせ
速度・相性・安定性を踏まえると
以下の組み合わせが鉄板です。
◎ 最も安定・高速な組み合わせ
| VPN | セキュリティソフト | 理由 |
|---|---|---|
| NordVPN | ESET / Defender | 相性が良い・処理が軽い |
| Surfshark | Defender / Bitdefender | WireGuardと相性良い |
| ExpressVPN | ESET | Lightwayが安定して高速 |
△ 避けたほうが良い組み合わせ
| VPN | セキュリティソフト | 理由 |
|---|---|---|
| OpenVPNメインのVPN | ノートン | パケット検査が強く遅くなる |
| WireGuardメインVPN | McAfee | ファイアウォールで制限されやすい |
※実際に報告例が多い組み合わせです。
5. セキュリティソフトがVPNに干渉しているかチェックする方法
以下を試すと判断できます。
✔ ① セキュリティソフトOFF → VPN速度テスト
→ 速くなる → 原因はセキュリティソフト
✔ ② プロトコルを変更して速度比較
- WireGuard
- NordLynx
- Lightway
- IKEv2
- OpenVPN UDP/TCP
TCPだけ遅い場合 → ファイアウォールが原因
HTTPSだけ遅い場合 → HTTPSスキャンが原因
まとめ:セキュリティソフトはVPN速度に大きく影響する
VPN速度改善には、
セキュリティソフトの設定が大きく関わります。
✔ 二重スキャン → 遅くなる
✔ ファイアウォール → 通信制限
✔ 相性問題 → プロトコルによって遅くなる
改善方法はシンプルで、
▼最も効果的な対策ベスト3
- VPNアプリを例外登録する
- HTTPSスキャンを必要に応じて調整する
- 軽いセキュリティソフトを使う
これだけで速度が大幅に改善されます。

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