VPNプロトコルの違いとは?特徴・速度・安全性を徹底比較【初心者向け】

VPNを選ぶときに必ず目にする「プロトコル(Protocol)」。
OpenVPN・WireGuard・IKEv2・Lightway など、種類が多くて違いがわかりづらいですよね。

この記事では、主要なVPNプロトコルの違いを初心者向けにわかりやすく解説します。


◆VPNプロトコルとは?

VPNプロトコルとは、VPNが通信を暗号化して安全に送受信するための「通信ルール(仕組み)」のこと。

プロトコルによって

  • 速度
  • 安全性
  • 安定性
  • 対応デバイス
    が大きく変わります。

◆主要VPNプロトコル一覧(比較表)

プロトコル速度安全性特徴
WireGuard最速高い軽量で最新。スマホ向き
OpenVPNやや速い最高クラス信頼性No.1。世界標準
IKEv2/IPsec速い高いモバイル切替に強い
Lightway(ExpressVPN独自)とても速い高い安定性◎、軽量
PPTP(非推奨)速いが危険低い暗号化が弱く使用注意
L2TP/IPsec(古い)普通中程度互換性が高いが時代遅れ

◆① WireGuard:最速で次世代のVPNプロトコル

●特徴

  • 高速で軽量(わずか4,000行のコード)
  • ChaCha20 暗号を採用 → スマホでも高速
  • 接続が安定し、遅延が少ない

●メリット

  • VPNプロトコルで最速クラス
  • セキュリティが高い
  • バッテリー消費が少ない(スマホ向け)

●デメリット

  • 歴史が浅く、信頼性はOpenVPNに劣る

●向いている用途

  • スマホ(Android/iPhone)
  • 動画視聴
  • ゲーム
  • 日常使いのVPN

◆② OpenVPN:最も信頼されている王道プロトコル

●特徴

  • VPN業界で20年以上使われる定番
  • AES-256 暗号で非常に安全
  • 世界中のVPNでほぼ標準採用

OpenVPNには2種類あり

  • UDP → 高速で動画・ゲームに最適
  • TCP → 安定性重視、ネット検閲にも強い

メリット

  • とにかく安全性が高い
  • 長年の実績があり信頼性が段違い
  • ほぼ全てのVPNで利用可能

デメリット

  • WireGuardより高速ではない
  • 暗号化が重く、バッテリー消耗がやや多い

向いている用途

  • セキュリティ重視のユーザー
  • PC利用
  • 公共Wi-Fiでの利用
  • 海外のネット検閲回避

◆③ IKEv2/IPsec:モバイルで最適化されたプロトコル

特徴

  • 移動に強く、接続が切れにくい
  • Wi-Fi → 4G/5G 切り替えに強い
  • 高速で安定
  • iPhoneとの相性が良い

メリット

  • トンネル再接続がほぼ瞬時
  • モバイルで非常に安定
  • 速度も十分速い

デメリット

  • 古めの技術
  • OpenVPNほどの汎用性はない

向いている用途

  • スマホ利用での通勤・移動
  • Wi-Fiとモバイルを行き来する環境
  • 外出先での安全性確保

◆④ Lightway(ExpressVPN独自):超軽量で安定性が高い

特徴

  • ExpressVPNが自社開発したプロトコル
  • WireGuardと同じく軽量高速
  • 独自のWolfSSL暗号を使用

メリット

  • 接続が非常に速い
  • 安定性が高く切断されにくい
  • バッテリー消費が少ない

デメリット

  • ExpressVPNでしか使えない
  • 監査は通っているが、OpenVPNほどの歴史はない

向いている用途

  • 日常利用(最適)
  • 旅行・海外利用
  • 安定性を重視する人

◆⑤ L2TP/IPsec(やや古い方式)

特徴

  • 互換性は高い
  • 暗号化はIPsec依存
  • 以前は一般的だったが現在は古い

メリット

  • 多くのデバイスで使える
  • 設定が比較的簡単

デメリット

  • OpenVPN・WireGuardより速度も安全性も劣る
  • 一部の国でブロックされやすい

向いている用途

  • 古い端末
  • 特殊な互換性が必要なケースのみ

◆⑥ PPTP(絶対に非推奨)

特徴

  • 古すぎる方式(1990年代)
  • 暗号化が弱く簡単に解読される

メリット

  • 一応速い(暗号化が弱いだけ)

デメリット

  • セキュリティが非常に弱い
  • ハッカーでも数分で突破可能
  • 現代では使用してはいけない

向いている用途

なし(完全に非推奨)


◆VPNプロトコルは用途に合わせて使い分けるのが最適

スピード重視 → WireGuard / Lightway

動画・ゲーム・普段使いに最適。

安全性重視 → OpenVPN(UDP/TCP)

公共Wi-Fi・海外利用に強い。

スマホ・移動中 → IKEv2/IPsec

切断されにくく安定。


◆初心者が最初に使うべきプロトコルは?

迷ったら この3つから選べばOK です:

  1. WireGuard(最速)
  2. OpenVPN UDP(バランス最強)
  3. OpenVPN TCP(安定・検閲に強い)

ほとんどの有料VPNは、この3つを標準搭載しています。


◆まとめ:VPNプロトコルの違いは“速度・安全性・安定性”で選ぶ

  • WireGuard → 最速・軽量・モバイル最強
  • OpenVPN → 最も信頼できる安全性
  • IKEv2 → モバイルの切れにくさNo.1
  • Lightway → ExpressVPNユーザーの最適解
  • L2TP/PPTP → 時代遅れ(非推奨)

プロトコルの仕組みを理解すると、VPN選びの質が大きく上がります。

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